
ヴィンテージマンション「マンション四谷」リノベーション密着レポート vol.1
都心でありながら落ち着いた空気が流れる街、四谷。
JR中央線「四ツ谷」駅の喧騒から少し歩を進めると、そこには穏やかな時間が流れる住宅街が広がっています。
この緑豊かな新宿区四谷に佇むのが、今回私たちの手で新たな命を吹き込む「マンション四谷」です。
1971年に建てられ、半世紀以上の歴史を刻んできたヴィンテージマンション。
その一室が、現代のライフスタイルに合わせた上質な住空間へと生まれ変わるプロセスを、これからお届けします。

これは、建物の歴史を尊重しながら、未来の暮らしをデザインするリノベーションの連載記事です。
■リノベーションが提供する新たな住まいの価値
古い建物には、画一的な新築物件にはない、時を重ねたからこその趣や独特の魅力が宿っています。
しかしその一方で、現代の生活様式から見ると間取りの使いにくさや、設備の老朽化といった課題も少なくありません。
私たちが手掛けるリノベーションは、既存の建物の個性を最大限に活かしつつ、現代のニーズに合わせて住まいを再設計することにあります。
・空間の最適化: 間仕切り壁を取り払い、開放的で柔軟な間取りへ。
・機能性の向上: 旧式の設備を最新のものに更新し、快適性と安全性を確保。
・デザインの刷新: 内装デザインを一新し、資産価値と居住価値を向上。
住まう方のライフスタイルを深く理解し、素材の選定から光の採り入れ方まで、細部にわたり丁寧にプランニングすることで、機能的かつ心地よい空間を創造します。
■「マンション四谷」の概要
今回リノベーションを行う「マンション四谷」の物件情報をご紹介します。
<物件概要>
所在地:東京都新宿区四谷1丁目13
交 通:JR中央線「四ツ谷」駅 徒歩3分
総戸数:29戸
階 数:地上8階建て
築年月:1971年2月
築年数を経た外観は、ヴィンテージマンションならではの重厚感を漂わせています。
エントランスホールなど共用部に残る当時の建築様式は、これからモダンに生まれ変わる室内との対比をより一層引き立ててくれるでしょう。

また、「四谷」という立地は、都心ならではの利便性と穏やかな住環境を両立する、非常にバランスの取れたエリアです。
周辺にはオフィスや教育機関が集まる一方、緑豊かな公園や歴史ある商店街も点在。スーパーマーケットや公共施設も徒歩圏内に充実しており、日々の暮らしやすさを実感できます。
交通アクセスと生活環境、その両方を重視する方にとって、この上ないロケーションと言えるでしょう。
■フルスケルトンリノベーションで描く、理想の空間
プロジェクトの対象となるのは、7階に位置する一室です。
今回は、床・壁・天井をすべて取り払い、コンクリートの躯体だけの状態(スケルトン)にしてから、間取り、内装、設備をゼロから再構築する「フルスケルトンリノベーション」を実施します。

まずは、工事着手前の室内をご覧ください。
玄関から内部へ進むと、50年という歳月が作り出した独特の風合いが感じられます。

壁紙や床材には経年による変化が見られ、浴室やキッチンといった水まわり設備も、当時の仕様のままです。


この空間が、私たちの設計と技術によってどのような変貌を遂げるのか。
完成後の姿にご期待ください。

■白紙の状態から始まる、住まいづくりの可能性
リノベーションは、画一的な選択肢から解放され、自分らしい暮らしを能動的に創り出すための有力な手法です。
建物の築年数や現状の設備に捉われることなく、立地の魅力を最大限に引き出すことができます。
暮らしをデザインするという視点を加えることで、中古マンションは、日々の生活に豊かさをもたらす唯一無二の住まいへと昇華します。
「マンション四谷」のフルリノベーションは、まさにその出発点に立ったばかりです。まだ何も描かれていないこの空間が、どのような物語を紡いでいくのか。
今後の連載を通して、そのプロセスを詳細にお伝えしてまいります。
【次回予告】
Vol.2「この部屋が、どう生まれ変わるのか」
——解体直後の室内に潜入!
解体作業が始まり、見えてきたのは「図面にはなかった現実」
想定外の事態に、私たちはどんな対策を施したのか。その全貌をレポートします。
マンション四谷|アクセス
〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目13
JR・東京メトロ「四ツ谷」駅 徒歩3分